2013年2月28日木曜日

OK BABY

2011年3月11日、14時46分頃

何をしていましたか?


僕は(その頃で言うと)いつものように、アロウズのプリプロの集まりでした。

りゅうじ以外の4人がいつものように集まり、今日もやりますか と作業を
始めた。その日なんの曲をやっていたかは忘れたけど、やまうちが
Macの前にすわり、キャンディのベースを詰める作業をしていたので
僕はなんとなく聞きながらベッドに横になって休んでいた。うかちんはひとりで
なんかやってた。多分。


そんなときに、あの揺れが。最初うお地震じゃん、とか言ってたんだけど
うかちんが棚倒れないように押さえてたりしだし、
あまりに揺れが続くので外に出ようか となって出たら
地面はぐらぐら揺れ続け、電柱がしなっていた。経験したことのない
何かが起こっていました。文字通り恐怖だった。



もうすぐ2年が経つんですね。いろいろ薄れていったりしてしまうものも
あると思うけれど、あのときのことを忘れているひとはいないと思う。


震災のことがアルバムやバンドのありかたや生き方考え方を変えて行ったという
ことについては、アルバム完成後のブログでやまうちやりゅうじが書いてくれていたと
思うので、ちょっと個人的な感触を今一度、思い出して書いてみたいと思います。


東京にいても、明日なにがあるのかわからないような感覚や
普通の日常とは違う危機感はしばらく大きかったし、正直どうしていいか
わからない ということもあったかもしれないです。


いろんな場所や色んなリアルがあるなか、少なくとも自分自身や自分達のリアルに
向き合うことは しなければいけないと 感じていたように思います。


そんななか、ちよっと経ってから MUSICA経由のお話しもあり、 アロウズとして出来ることを ということで
無料配信された曲が、「Circle LR」。


自分としては奇しくも、アロウズ参加後の初の公式な曲でした。


アルバムに入っているのは、その再録バージョン。





さらに遡ってみると


僕が弾くことになってからもなかなか形にならない新曲。

僕はアロウズに参加して少ししてから、帯状疱疹という病気で入院しました。半年ぐらい、
普通の生活ができなかった。メンバーには心配をかけてしまったと思うけど
そんな状態の自分を使い続けてくれたことが本当にありがたかった。


そのぶん僕もやれることをやろうと、 120%やろうと。

「謙虚に遠慮なく」 と一時期りゅうじがよく言ってた。


退院したとき、りゅうじが こうしようと思う と示してくれたアルバムの地図は
その時点でかなりの骨格を持っていた。


ので僕は迷うことなく、彼らの音楽に少しでも貢献できるよう、
遠慮せずやれることは全てやろうと思った。壁にぶつかったときも、
遠慮せず どうしていいかわからないから助けてくれ、と言うことが出来た。

少しずつ新しいアロウズの音が見えて来た頃、初めて形らしい形になった新曲が、この曲。

そもそも自分がアロウズ参加直後からやっていたギターロックなバージョンがあり、
試行錯誤の末にやまうちが鍵盤でやるという手法にシフトした最初の曲でもあります。


震災前の年末、クリスマスに アルバム用のプリプロを始めたのもこの曲からだった。


そんなこんながあり、地図もなくしかけたり変わったりしてこの曲が浮いていた時期も
あったけど 全体像がやっと見えて来たときにまた存在感を増し。。


と、 本当に本当に紆余曲折がある曲。


のでなかなか簡単にはまとめることが出来ません。。


長いアルバムのレコーディングの中でも、この曲のギター録りが一番最後だった。


この曲をアルバムに入れることが最終的に決まり、最後に録りを終えたときはかなりの感慨と
感動があったな。




弾いていることは、ソロとバッキングとアルペジオの中間なんだけど、
ほとんどは歌メロとのからみのリードというか
普通あんまりないよね笑。

鍵盤を主体としたアレンジに変わった頃に、「この曲にまだフレーズがないね、
フレーズが欲しい」というメンバーの意見を受けて、アロウズらしい印象的なギター
フレーズでありつつ新しさもあり。。といったところに落とすのに
かなり苦労して作った覚えがあります。



音色的にも、実はサワディカップ以降の3曲は使ったペダルがそれまでの曲と
ぜんぜん違ったりします。最後の3曲って決まって録ったわけじゃないのに、
結果的にわりと固めな音作りからもっと倍音成分の多いものを使った曲になっていったのは
時系列的にもアルバムの後半にはわりとそのままストーリーがあるからのような気がします。


ライブをやりながら制作を進めていったので、もっとこんな音が欲しい となれば
血眼で探してはペダルを購入して。。といったことが反映されていった結果だったりも
します。


ぶっちゃけバラしちゃうとw、後半3曲のトーンはLeqtique MARというペダルがかなり活躍してます。

「Circle LR」は、MARとROCKETT PEDALのアランホールズワースモデルを同時に繋いで録りました。


MARの制作者、Leqtiqueのシュンノキナさんに twitter上でコンタクトしてみたら、
ありがとうございます嬉しいです!アルバム聞かさせていただきます!ってお返事いただいて、
かなり嬉しかった ということもありました。



無料配信のときには、最終mixを寝ずにやってる山内が心配になって立ちあってたら、
ようやく終わってwebに上げてから寝てないのに呑み出してしまい、ふたりでえんえんこの曲かけながら
えー曲やーー!!とか言いながら昼過ぎまで騒いだ思い出もありますwww




多くの命や日常が失われたなか、音楽に向かうことができたということは
今思うと本当に幸せなことだったんだなと、あらためて思います。




そしてそんな音楽を世に出せたことを、誇りに思います。



願わくば、そんな音楽が ひとりでも多くの ひとつでも多くの
円を描いてくれることを!






僕にとってはギターを弾くということが

円のなかで手を広げるということ  なのです。